「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」を読んで
USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか? (角川文庫)
- 作者: 森岡毅
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2016/04/23
- メディア: 文庫
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最近USJ行ったので、前から気になっていた「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」を読んだ。
ハリーポッターが当たるのは間違いない、だがそのためには売上の半分をつぎ込む設備投資をする必要がある上に、なによりも完成までの3年間をいかにして持たせるか。そのためにお金を描けずに客を呼ぶ方法は?ということについて頭をひねった経緯がえがかれている。とてもおもしろい。
実際行った感じたしかにUSJはよくできていて、ハリーポッターの世界がここにあるということに関してはあふれんばかりの努力を感じ取れたし、そもそも私はジェットコースターには乗れない方だけども、ここでしか買えないグッズなどを大量に買い込んだりして楽しめた。
とはいえ、フィールドは思ったよりこじんまりしているしお城はスケール感が小さいし、雨の日でも楽しめるようにしたというが実際は屋根がある場所がほとんどなく最悪の体験だったし、やはりこんなものかと思ってしまったのである。楽しかったからこそ、気に入らない部分が目につくとかそういったことだと信じたい。
この人のアイデアの考え方は、解決しなければいけない問題を正しく前提におくことでそれを埋めるアイデアをひねり出す、というものだ。これはつまり、宮本茂が言うところの「アイデアというのは複数の問題をいっぺんに解決することだ」ということの目的を逆算して実行していることになる。
宮本茂が山内や横井から受け継いだ天性の嗅覚で答えを嗅ぎつけていたのに比べ、この人はアイデアを閃かなければ行けない状況、というものを作ることでその問題を解いていたのである。またそれをただのひらめきで済ませないために、数字の裏付けを必ずとっていたというのは理想的と言える。
この人にプログラミングをやらせたらきっといいプログラマになるだろうと思った。
ところで、
アイデアの発想法についてはみな色々一家言あるようで様々な人が触れている。たとえば以前読んだもので言えば、「アイデアのつくり方」などは森岡氏が言っている手順ほぼそのものと言っていい。
- 作者: ジェームス W.ヤング,竹内均,今井茂雄
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 1988/04/08
- メディア: 単行本
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また森岡氏が言うところの、「リアプライ」という概念はこれはつまりすでにあるものを形を変えて実行するということであるが、それは星新一が実践していたところの「アイデアは異なる同士の組み合わせ」のことであるし、そもそもそれはアイザック・アシモフの言葉である。
このようにアイデアとその実践ということについては、多くの人がみな色々な方法を試し実践していたのである。幸い私はそのようなことをしなければ打破できない状況に置かれたことはほとんどないのだが、にっちもさっちもいかなくなったのならこのような偉大な先人のことを思い出したいと思う。